- 更新日時:2020/03/13 (金) 17:28
- 講演会
- 講師
- 高野 優 氏
(育児漫画家) - 開催日時
- 令和元年11月30日(土)15:20~
- 開催場所
- 富山県民会館 ホール
- 演題
- 「子は育ち 親も育つ
楽しまなくっちゃもったいない」
三姉妹を育てながら親として成長できた喜びを漫画を描きながら話すという独特のスタイルで講演を行う高野さん。NHK 教育テレビの司会を務めたり、40冊以上もの著書を出版したりして、お母さん方にも大変人気のある方です。「富山では高野さんと触れ合える機会がほとんどない。この機会を逸するといつ会えるか分からない!」当会に届いた1 通の要望書から高野さんのご来県を乞う熱烈な気持ちと強い期待感が伝わってきました。
子は育ち親も育つ……三人の子育てを通して
長女は反抗期とその後、思春期があった。子供との関係に悩んでいるときに、臨床心理士の田村先生から子供の様々な行動が「私に関心をもって」というアピールだと聞いた。思春期と闘って一番しんどいのは子供である。子育ては長い長い闘いだから100%の力ではなく、少し距離をおいて、ゆるゆると見守ることが大事。
二女は乳児のころ発達に遅れがあり、リハビリに通っていた。リハビリの忙しさや出口の見えない不安に、トンネルに入ってしまったように感じた。そんな時、二女のがんばる姿と、「私はこんなに笑っているから、お母さんも笑って」と感じさせてくれた笑顔があった。子供を輝やかせるのも曇らせるのも、親次第である。
三女はサッカーを頑張っている。困難の連続だが、それでも努力する姿を見て、「好きなことがあるということは大きな武器になる」「好きなことをしている自分が大好きである」「自分を認められるということは相手も認められる」ということを教えられた。ぜひ子供の一番好きなことを見つけ、応援してあげてほしい。
私たち大人は、子供から教わるべきことが多い。そういう子供に感謝しかない自分である。
地域の方との子育て……先生との思い出から
私には完璧すぎるほどの姉がいる。両親からは「お姉ちゃんはできるのに、どうしてあなたは……」と言われ続けた。そんな言葉は胸の奥にずっと残る、あざの残らない虐待のようなもの。そんな時に小学校で「お前は本当にいい子だ。お前は何も変わらなくていいからな。」言ってくれた先生がいた。自分にとっては「お守り」のような言葉だった。どんな境遇に置かれていても、温かく見守ってくれる大人がいれば子供は救われる。たくさんの出会いがある人の人生の方がより豊かになる。人は人でしか育たないものである。