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講演会
講演会「でっかい子育て 人育て」
- 更新日時:2014/07/28 (月)
- 講演会
- 講師
- 中村 文昭 氏
- 開催日時
- 平成26年6月7日(土) 13:30~14:45
- 開催場所
- 富山総合福祉会館 サンシップとやま 1F福祉ホール
富山市安住町5番21号 TEL:076-432-6141 - 演題
- 「でっかい子育て 人育て」
去る6月7日(土)午後1時より、富山県総合福祉会館において、中村文昭氏をお迎えし、当会主催による講演会を開催しました。
当日の会場は満席。PTA会員のみならず一般の方々や親子連れ、中学生の姿も見受けられ、関心の高さがうかがえました。中村氏はお決まりの作務衣姿で登場し、幼少時代のお母さんとの思い出、師匠からの教え、人と人とのご縁を大切にすることなど自身の体験を交えながらお話しされました。笑いあり、涙あり、感動の講演会はあっという間でした。
中村氏は18歳で上京。偶然立ち寄った焼鳥屋で人生の師匠となるすごい人物に出会います。その教えを素直に信じ、野菜の行商からはじめ、故郷でレストランの経営者になるまで様々な経験をされます。そして今や日本全国で年間300回を超える講演を行っておられます。
◆人を喜ばせる
「どやった?」毎日この言葉と笑顔で迎えてくれるお母さん。「お前は天才やな~」お母さんが褒めてくれるたびに中村少年はもっと喜ばせたくなります。こうやって日々でっかい母の愛情を感じながら、人を思いやる心を学び、人を喜ばせる人間になりたいと思うようになりました。このことが中村氏の人生の大きな土台となります。
中村氏が引きこもりの若者たちと行う農業。彼らの食事の世話などを一手に引き受ける先天性脳性小児まひのマリちゃん。こんな自分がみんなに必要とされ、役にたっているんだと感じるからこそ、時間がかかっても心をこめて食事を作り続けられる。そんなマリちゃんの姿を思い浮かべ会場の多くの人たちが涙をしました。
◆何のために
「何のために生きるのか」「何のために仕事をするのか」「今やるべきことは何なのか」心の底から突き上げる理由がないと一日一日は積み重ねにはならず、ただの繰り返しの毎日になってしまいます。
「人のために生き、人を喜ばせて得たお金は自分のためではなく人のために使う」「人を喜ばせることで人生はどこまでも広げられる」「どん底からでも逆転ホームランが打てる」など、師匠のもとで修業された4年間で、中村氏は様々なことを学ばれました。
◆「あ~つかれた」はNG
子供たちにとって一番近くにいる大人は親である私たちです。家で親の帰りを心待ちにしている子供に言う第一声が「あ~つかれた」だと子供は無気力、無関心な人間に育ってしまいます。親の仕事への姿勢が子供の人生に大きく影響します。仕事で疲れて帰ってきても元気に生き生きと楽しくしている姿を子供に見せること、子供の前で話す言葉に気を付けることはとても重要です。
○●講演会に参加して●○
人を喜ばせることで、役割が与えられる人生が始まります。今は夢をもてない子供でも、希望を持ってキラキラと輝くことができる。子供たちの未来への親の責任は重大です。この大変な時代だからこそ、我々大人が「子供たちと一緒になって、おもしろい未来を創っていこう」という思いをもつことが大切だと感じました。
講演会「脳を知り、脳を育み、脳を鍛える」
- 更新日時:2013/08/02 (金)
- 講演会
- 講師
- 川島 隆太 氏
(医学博士 東北大学教授) - 開催日時
- 平成25年6月1日(土)13:00~14:45
- 開催場所
- 富山総合福祉会館 サンシップとやま 1F福祉ホール
富山市安住町5番21号 TEL:076-432-6141 - 演題
- 「脳を知り、脳を育み、脳を鍛える」
去る六月一日(土)午後一時より、富山県総合福祉会館において当会主催による講演会を開催しました。
講師には“脳トレ”でお馴染みの東北大学教授、川島隆太氏をお迎えしました。川島氏は「研究で得た新しい知恵や知識は、社会に直接還元しなければならない」ということをモットーとして活動されています。そして、生活習慣がもたらす脳への影響について分かり易くお話ししていただきました。
最初に 「睡眠」に関してのお話しがありました。
人間は、浅い眠り(REM睡眠)と深い眠りを繰り返して朝を迎えます。発達期の子どもは、夜十時には深い眠りの状態になっていないと、体を大きくし免疫機能を高める働きのある「成長ホルモン」を十分に利用することができません。
さらに、脳はREM睡眠の際に日中に行った経験や学習の内容を整理整頓し、記憶に書き込んでいます。
従って、睡眠時間が減るということは、REM睡眠の回数が減り、脳の復習の回数が減ることになります。その結果「睡眠時間の短い子どもは、学力や運動能力が低い」ということになります。
逆に、睡眠時間が長すぎる場合も問題です。通常は八時間程度で十分ですが、それ以上の睡眠時間を必要とする場合、何らかの阻害要因が考えられます。
今や、睡眠を阻害する要因の一つに中学生、高校生、一部では小学生にも広がっている携帯電話やスマートフォンが挙げられます。「メールをすぐに返信しないと仲間はずれになる」ということが、電源を切らないまま枕元に置くという暴挙に繋がっています。
そして、記憶の脳として有名な海馬の体積は睡眠時間と正相関することがはっきりと判っています。睡眠時間が短い子どもは、海馬が小さいまま大人へと成長します。子どもに夜更かしさせることは、「子どもの将来の可能性を狭める行為」なのです。
次に「朝ごはん」についてです。
脳に必要なブドウ糖を代謝してエネルギーを作るには、ビタミンやミネラル、必須アミノ酸が必要であり、パンやおにぎり等の炭水化物だけの朝食では、それらを補うことができず、食べたことにならないそうです。「朝ごはんにしっかりとおかずも食べないと脳は十分に働かない」ということでした。
非常に衝撃的なお話しでしたが、これらは全て科学的に証明されています。家庭での生活習慣が脳の発達に大きく関係していることに気付かされました。
今、子ども達の為に何ができるのでしょう?親である私達が一歩前に踏み出すことが大切なのではないでしょうか。
講演会「答えはイエス! ~子どもへ、そして大人へ「生きる力」を伝えたい~」
- 更新日時:2012/02/07 (火)
- 講演会
- 講師
- 歌手 中島啓江氏
- 開催日時
- 平成23年6月4日(土)13:00~14:45
- 開催場所
- 富山総合福祉会館 サンシップとやま 1F福祉ホール
富山市安住町5番21号 TEL:076-432-6141 - 演題
- 「答えはイエス! ~子どもへ、そして大人へ「生きる力」を伝えたい~」
講師に、テレビ・ラジオ・舞台にと、ご活躍中の歌手、中島啓江さんをお迎えし、「答えはイエス! ~子どもへ、そして大人へ「生きる力」を伝えたい~」と題して、約1時間40分の講演をいただきました。中島さんの人懐っこい笑顔に癒されながら、お話をお聞きしていたのですが、小学校の時に受けた「いじめ」の話をされた時に流された涙が、その壮絶さを物語るものでした。
「どんなに辛いことがあってもいつかきっといいことがある。」
「自分から心を開いて、人と接すれば、その人は必ず友達になれる。」
「家に帰ったら、子どもたちに今日聞いた話をしてやりたい。」
少し赤く腫れぼったい目をしながらも、はればれとした笑顔でお話をしておられたことが、とても印象的でした。
「ありがとう」の魔法の言葉。会場にいた皆さんも、大切にどんどん使っていきたいと思ったのではないでしょうか。
講演会「情報の正しい選び方」
- 更新日時:2010/08/31 (火)
- 講演会
- 講師
- 読売テレビ放送
報道局局次長・解説委員長
芦屋大学客員教授 辛坊治郎氏 - 開催日時
- 平成22年6月5日(土)15:00~16:45
- 開催場所
- 富山総合福祉会館 サンシップとやま 1F福祉ホール
富山市安住町5番21号 TEL:076-432-6141 - 演題
- 「情報の正しい選び方」
富山県総合福祉会館においてテレビ解説で有名な辛坊治郎氏による講演会を行いました。
- クレーム電話はラッキーコールである。
- テレビに映しだされていることには、ウソではないが本当でもないことがある。
- 今の時代は、情報革命の時代であり、普通の人の普通の声が世界を動かしている。
- 目の前にある「情報」が単なる見せかけなのか、真実なのかを読み取る力が必要である。
等のお話を頂きました。
鋭い視線の中にもユーモアある大変貴重な講演で、軽妙なトークに引き込まれ、あっという間の1時間30分でした。しかし、内容は大変重く、私たちにどれだけ真実の情報を読み取る力があるのだろうかと改めて考えさせられました。
溢れる情報の中にいる私たち自身が、正しい情報選択の力を身に付け、次世代を担う子供たちにそのことを伝えていかなければならない責任の重さを感じました。
富山県PTA親子安全会 30周年記念講演
- 更新日時:2010/05/10 (月)
- 講演会
- 講師
- エッセイスト 安藤和津 先生
- 開催日時
- 平成21年7月12日(日)15:00~16:45
- 開催場所
- 富山国際会議場 大手町フォーラム メインホール
- 演題
- 「明日を素敵に生きるには」
今日は、私の61年間に体験したこと、感じたことを中心にお話ししたいと思います。
私の事務所は、東京・六本木のミッドタウンのすぐそばにあります。ある深夜12時ごろに、すごく若いカップルが腕を組んで買い物をしていました。
レジは結構混んでいました。私が並んだら、真ん前にその男の子が並んでいるんです。あれ、男の子が並ぶんだ。女の子はどこ?と思ったら、すぐわきで携帯電話でメールをピピピピッとやっています。そのうち女の子が顔を上げて「てめえ、遅いんだよ」と男の子に向かって怒鳴りました。男の子が「ごめんね。レジが混んでるから、ちょっと待ってて」(笑)ですって。
男女共同参画社会と叫ばれて久しいですが、何かが逆転してしまっているというのは、いったい何なんでしょう。ああいう若い世代が、これからの高齢化社会を迎える社会を支えていくのかと思うと、なんだか背中が薄ら寒い感じがします。政治も、私たちにとってとても大切なことですけれども、次世代をいかに育てるかが今後の課題じゃないかということをしみじみ感じた買い物の一夜でした。
私は、昔の女の仕事というのは、「さ・し・す・せ・そ」と思って生きていた最後の世代です。裁縫の「サ」、しつけの「シ」、炊事の「ス」、洗濯の「セ」、掃除の「ソ」をやってこそ家庭の中でのお母さんと言われた時代に育った私たちにとってみたら、今のお母さんたちは楽だなと思います。なぜかというと、昔労働に費やしたエネルギーは、今、機械が全部かわりにやってくれているからです。
私は母の在宅介護を10年近くやりました。最初、私の母にまさか介護が必要になるなんて思いもしませんでした。人間誰でもそうですけれども、自分だっていつどこで介護される身になるかわからない。自分の親をいつどこで介護するようになるかわからない。常に私たちはそういうことと向き合って生きているんだなということを、母の介護体験をもとにしみじみ感じました。
母は実は脳腫瘍だったんですけれども、全く原因がわからなかった。
何か変だと思ったきっかけは、母は、すべての電話番号を記憶していて片手で電話をかけるんですが、もちろん人間だから押し間違えます。そうした時、「この電話の子機、壊れてるじゃないの」と、たたきつけて壊してしまいます。
ある時、母が検査入院しました。検査の結果をお医者様に聞いたら、「血圧と糖尿の気がちょっとありますが、いや、もう立派ですよ」と言われました。母のヒステリーはやっぱりもともとのもので、病気は関係ないんだと思っていたところ、病院に呼ばれました。そして、退院前の脳のMRIで大きな脳腫瘍ができていることが分かったのです。
お医者様は、「この腫瘍で、よくしゃべって、よく歩いてらっしゃいますね。よっぽど気丈な方なんでしょうね」とおっしゃいました。「腫瘍ができてから30年近くたっています。手術のしようがありません。お薬も出せません」と言われたとき、私は生まれて初めて、心から神様にわびました。あれだけ憎んで早く死ねばいいと思っていた母でしたが、母ではなく病気が母をそうさせていたのだという事なのです。誰よりも母が苦しく辛かったと思います。神様に「1分1秒でも長く親孝行させてくださいと」と祈る思いでした。
食べることはとても大切だと思います。要するに、お医者様が薬もない、手術もできないとおっしゃったとき、私は、素人の考えですけれども、血液がさらさら流れる食べ物を食べてもらえばいいんじゃないかと思いました。
なぜかというと、うちの母、私の手づくりで、野菜を多く、油と糖分を少なくした食生活に切りかえて1か月で、目に力が戻ってきました。気がついたら、テレビのリモコン、電話の子機は壊れてません。母のヒステリーがおさまったんです。食べるものの影響ってすごいなと思いました。
食でもう一つ話をしておかなければいけないのですが、最近の日本人は肉を食べることが多くなってきました。農耕民族で穀物を食べてきた東洋人、日本人は欧米人に比べて腸が長く出来ています。肉を腸の中に長く入れておくと「腐」るの字のごとくです。府は五臓六腑の「腑」肉が腸に長くいると腐ると書きます。東洋人は肉体の構造が欧米人とまったく違います。もともと人間は肉食かというとそうでもありません。歯の数を数えてみて下さい。穀物を噛んで砕く臼歯、野菜や果物などを噛む門歯と肉魚を噛む犬歯があります。それぞれの比率は5:2:1です。穀物:野菜果実:肉魚の比率で歯は出来ています。私たち日本人は戦前と比べると噛む回数が半分に減っています。昔は1420回、時間で22分かけて食事をしていましたが、現在は620回、時間は11分だそうです。物を噛んでちゃんとそしゃくする事がなくなってきています。今、「切れる」子どもがすごく多いのは、糖分と資質がすごく多い食事を与えていることに起因しています。「高いお金使って塾へ行かせてるのにどうして勉強ができないの」と怒る前に、お子さんにどんなおやつ、どんな食事を与えているかをもう一度考え直して下さい。
人生、辛いことはいっぱいあります。辛い。みんな幸せになりたいのに、60年たっても幸せは来ないじゃないのと思っている方、たくさんいらっしゃると思います。でも、物は考え方です。「辛い」ことを一つ乗り越えれば「幸せ」になる。ばねと一緒です。ばねも、ぎゅっと押さえられるから、ぽんと飛びます。負のことを負としてとらえない。
では、今日ここでやってみたいのは、富山県夫の自立度チェック。男性の方々、ご自分で常日ごろおやりになっていることを指を折って数えてみてください。伴侶がいらっしゃる方は、伴侶を思い浮かべて指を折ってみてください。いきます。
1番、「おーいお茶」と言わずに、お茶やコーヒーぐらいは自分で入れる。
2番、お米やパンなどの主食の値段を知っている。
3番、得意と言える料理が2種類以上ある。
4番、背広やシャツなどを脱ぎっ放しにしない。
5番、自分の洋服類は自分で買う。
6番、ごみの収集日を知っている。
7番、靴下の場所を知っている。
8番、大根とネギを買ってきてくれる」と言われても、嫌がらずに買いに行く。
9番、奥さんや子供や孫の誕生日を覚えている。
10蕃、仕事以外に楽しめることを持っている。
7つ以上の方は、超自立型のご主人です。4つ以下の方は、典型的な寝たきり老人、わしも族になる可能性大です。
人生色々長くて、私が還暦を迎えた去年、昭和23年の新聞記事の切り抜きを友人が持ってきてくれました。そこの大きな見出しにあったのが、「老女クルマに撥ねられる(50歳)」。60年前は、50歳は老女でした。今そんなことを言ったら怒られますよね。人間いくつになっても日々進歩していかなければならないと思います。
これからの未来を支える子どもたちをどう育てたらいいかというのをドロシー・ローホルトという人が、詩に書いています。皇太子様がお読みになって一躍有名になりましたが、これを最後に読ませていただきます。
- 「子ども」 ドロシー・ローホルト
- 批判ばかりされた子どもは、非難することを覚える
殴られて大きくなった子どもは、力に頼ることを覚える
笑いものにされた子どもは、ものを言わずにいることを覚える
皮肉にさらされた子どもは、にぶい良心の持ち主となる
しかし激励を受けた子どもは、自信を覚える
寛容に出会った子どもは、忍耐を覚える
賞賛された子どもは、評価することを覚える
フェアプレーを経験した子どもは、公正を覚える
友情を知る子どもは、親切を覚える
安心を経験した子どもは、信頼を覚える
可愛がられ抱きしめられた子どもは、世界中の愛情を感じ取ることが出来る
こういう気持ちを持って子どもに接することが出来たらどんなに素敵かと思います。
本日は、私のつたない話をお聞きいただきまして、ありがとうございました。
講演会「子どもを犯罪から守るために」被害防止教育と地域安全マップ
- 更新日時:2010/02/16 (火)
- 講演会
- 講師
- 小宮 信夫 先生
- プロフィール
- 立正大学文学部社会学科 助教授(社会学博士)
- ケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科修了。法務省、国連アジア極東犯罪防止研修所、法務総合研究所などを経て現職。専攻は犯罪社会学。現在、東京都「治安対策専門家会議」委員、警察庁「少年非行防止法制に関する研究会」委員を務める。
- 開催日時
- 平成17年6月4日(土)13:00~14:45
- 開催場所
- 富山県総合福祉会館(サンシップとやま)
- 演題
- 「子どもを犯罪から守るために」~被害防止教育と地域安全マップ~
地域の安全を守るためには犯罪理論をふまえて活動することが必要である。日本では「犯罪原因論」を基にした防犯活動が行われているが、これは犯罪の 原因を取り除くことが安全な社会をつくるという考え方であり、犯罪者を検挙し更正させることが目的となっている。しかし欧米では、20年以上前から、この 理論を基に活動が実践されたが、犯罪が減らないということがわかり、現在では「犯罪機会論」が主流となっている。「犯罪機会論」は、犯罪を起こす機会・場 所が無ければ犯罪は起きないという理論であり、犯罪を未然に防ぐ要素として「抵抗性」「監視性」「領域性」の3つを定義している。「抵抗性」は護身術や防 犯ブザーなどで犯罪者に抵抗する力をいうが、これは最後の手段である。「監視性」は犯罪が起きる死角を無くするという考え方であり、例えば校舎内、道路、 公園などの見通しを良くすることなどがある。「領域性」は犯罪者が侵入できなくすることであり、例えば学校の門を閉めるなど、関係者以外の侵入を制限する ことである。また、物理的に区切らなくても、門に人が立つ、定期的にパトロールするというように、心理的に”領域(縄張り)”を示すことも有効である。
自分達の地域を守ることを考えた場合、「抵抗性」は犯罪者に抵抗する”武器”であり、「監視性」「領域性」は犯罪が起きない”城づくり”である。子 供の安全を守る”城づくり”として、子供達が自ら地域を回り、自らの目で危険な場所を探し、それをマップ化する「地域安全マップづくり」が効果的である。 子供達自身が、犯罪が置きそうな場所を指摘・排除・監視することで物理的・精神的に強固な「監視性」「領域性」が生まれ、犯罪の起きない地域づくりを行う ことができる。ぜひ「地域安全マップづくり」を実行していただきたい。
聴講者の感想
子供を犯罪から守るためには、どのような犯罪に巻き込まれやすいか、どのような場所が危険なのかを、子供たち自身で考えさせる必要があります。つまり事前に危険を察知し、回避する力(危険回避能力)を高めることが重要であると今回の講演で強く感じました。
犯罪の被害防止教育を行うには、まず犯罪に強い3要素
- 抵抗性(犯罪者の力をどのように返すか)
- 領域性(犯罪者を自分たちの領域に入れない、なわばり意識を持つ)
- 監視性(当事者意識を持つ)
を考え、子供たちを犯罪機会に近づけないことです。そのためには子供たち自身で作成する地域安全マップが非常に効果的だと小宮先生はおっしゃいま す。自分たちの通学路の危険箇所を自分たちで発見し、そこではどのような犯罪にあう可能性があるか、その犯罪にあわないためにはどうしたらいいかを考え、 後輩にも伝えていくのです。地域安全マップを作成する過程で高められるコミュニケーション能力にも期待できます。学校教育の中で取り入れ、質の高い地域安 全マップが早く作成されることを望みます。また家庭内でも危険回避について話し合ってみるのもいいかもしれません。 本来の被害防止教育を考えさせられる大変よいお話でした。
参考
小宮先生のホームページは、http://www.ris.ac.jp/komiya/ でご覧になれます。
地域安全マップ・犯罪機会論に関する著書
- 地域安全マップ作成マニュアル(東京法令出版株式会社)
- 犯罪は「この場所」で起こる -原因論から機会論へ-(光文社新書)
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